学校改革・学校経営の最前線

学校経営コンサルタント栗山のブログ

8月 30, 2019 12:37 pm

設置審による2020年度新設答申

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2019年8月30日付、大学設置・学校法人審議会は、私立大学2校、専門職大学3校、専門職短期大学1校の2020年度の新設を認めるよう柴山文部科学相に答申した。 答申れさた学校は以下の通りである。

 

(1)私立大学

湘南鎌倉医療大学(学校法人徳州会、神奈川県鎌倉市、看護学部100名/年)、名古屋柳城女子大学(学校法人柳城学院、愛知県名古屋市、こども学部70名/年)の2校が新設される見通し。 名古屋柳城女子大学 は 名古屋柳城短期大学からの移行である。

 

(2)専門職大学

静岡県立農林環境専門職大学(静岡県、静岡県磐田市、生産環境経営学部24名/年)、東京国際工科専門職大学(学校法人日本教育財団、東京都新宿区、工科学部200名/年)、びわこリハビリテーション専門職大学(学校法人藍野大学、滋賀県東近江市、リハビリテーション学部120名/年)の3校が新設される見通し。

 

(3)専門職短期大学

静岡県立農林環境専門職大学短期大学部(静岡県、静岡県磐田市、生産科学科100名/年) の1校が新設される見通し。

 

今回の特徴は、

大学においては、大手医療法人グループの看護大学新設、幼教関連の短期大学の4年制大学化である。看護学部については300程度まで増加するだろう。

 

専門職大学・短期大学においては、昨年度と同様、専修学校法人の認可はなく、1条校を擁する大学法人、公立学校による開設となった。

 

8月 12, 2019 2:11 pm

高校法人の学校改革

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 中学校・高等学校のターゲット人口である国内12歳人口の推移は、総務省統計局によると、平成30年度で1,055千人、平成20年度対比120千人の減少となっている。令和12年度には926千人で、平成30年度対比129千人と更に減少が見込まれている。また、学校基本調査によると、私立中学校入学者数は平成30年度で80千人、国内12歳人口に占める割合は7.6%である。平成20年度対比6千人の減少、12歳人口に占める割合は0.3ポイントの増加である。私立中学校に進学する割合は増加傾向にあるが、それ以上に国内12歳人口の減少が進行しており、全体数は減少トレンドと私立中学校を取り巻く環境は厳しいものがある。国内12歳人口の減少を主因に、東京都内の私立中学校は4割程度しか入学定員を充足できていない。募集堅調な中学校・高等学校のキーワードは、高大接続改革を意識したトータル的なブランディングが完成していることである。

 

 高大接続改革は、中央教育審議会への諮問「大学入学者選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化のための方策について(平成24年8月28日)」を機にスタートした。少子高齢化の進行、国際競争の発展等による社会構造の急速に変革期において、社会は新たな価値を創造し、社会で自立的に活動していくために必要な学力3要素(①知識・技能の確実な習得、②思考力・判断力・表現力、③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)をバランスよく習得した人材を求めている。高大接続改革は、この時代背景を踏まえ、学力の3要素を育成する「高等教育」、高校までに培った力を更に向上・発展させ、社会に送り出すための「大学教育」、学力の3要素を多面的に評価する「大学入学者選抜」の三者一体の改革を進め、大学教育の質的転換を図るものである。

 

 高大接続改革を踏まえ、これからの中学校・高等学校の学校経営は、学力の3要素の育成に必要な「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」の視点を意識した教育を展開し、リブランディングする必要がある。そのために、ジョン・マグワイア博士が提唱するエンロールメント・マネジメントを中学校・高等学校の改革に取り入れることを提唱している。地域を構成する一コミュニティとして中学校・高等学校を捉え、学生のキャリア教育の観点から、マーケティング的手法により学内外の資源を有機的に結合する戦略を立案・実行する総合的な学生支援として適用する。

 

  最近、人気を集めている中学校・高等学校の特徴である、「現実社会と連動しながら生きる力を育む教育を展開し、リブランディングする」に通ずる点が多いと考え、 エンロールメント・マネジメントの導入こそが、高校法人の学校改革のポイントと考える。

6月 17, 2019 9:42 pm

新たに大学2校が募集停止

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先日、広島国際学院大学(広島)、保健医療経営大学(福岡)が2020年度から学生募集を停止すると発表。


広島国際学院大学(学校法人広島国際学院)が2023年3月で閉校。他設置校である広島国際学院中・高は存続、短期大学部は専門学校化を検討。


広島国際学院大学は工学部・情報文化学部を有しており、2018年5月現在、全学生数691名、収容定員数1,140名、収容定員充足率60.6%と募集低調に推移。


2019年3月期決算において、運用財産10,530百万円(うち現金・預金5,980百万円)、長短期借入金6,523百万円、ネットキャッシュ4,007百万円。教育活動収支差額▲399百万円、経常収支差額▲417百万円。


ネットキャッシュの残高および募集停止による更なる赤字幅拡大を勘案すると、大学募集停止は賢明な判断。募集停止の判断がこれ以上遅れると在校生を卒業させる体力すらなくなる可能性が高い状況である。


保健医療経営大学(学校法人ありあけ国際学園)は2023年3月で閉校。

保健医療経営大学は保健医療経営学部を有しており、2018年5月現在、全学生数147名、収容定員数320名、収容定員充足率45.9%と募集低調に推移。  


2019年3月期決算において、運用財産245百万円(うち現金・預金245百万円)、長期借入金1,350百万円、ネットキャッシュ▲1,105百万円。単年度収支は、教育活動収支差額27百万円、経常収支差額15百万円 (簡易CF95百万円)と黒字を確保しているものの、恒常的な一般寄付金(2019年3月期300百万円)がなければ大幅な赤字。また、借入金返済を猶予しており資金繰り逼迫している様子。

募集停止による単年度収支の悪化をどう吸収するのか、基本財産の処分ができなければ長期借入金の返済もできない状況。閉校に向けた対応策の検討が求められる。

3月 26, 2019 2:54 pm

いよいよ大学マーケットの再編加速か!?

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船井総研 学校経営コンサルタントの栗山です。

先日、関西国際大学を運営する「学校法人濱名学院」と、神戸山手大学を運営する「学校法人神戸山手学園」が2020年4月の合併を発表しました。学部譲渡の第一号案件として期待が集まっています。

報道によると、

経緯は、学校法人神戸山手学園が運営する神戸山手女子中高の支援要請を学校法人濱名学院に実施したことが始まりとのことです。

学校法人神戸山手学園の事業報告書によると、神戸山手女子中高は、2014年から「神戸山手女子中高教育経営改革推進会議」で経営改善に努めていたようですが、自力での再建は難しかったのでしょう。文科省主導で法人合併のグランドデザインが描かれた模様です。


2つの大学について、もう少しみてみましょう。

(1)関西国際大学

学校法人濱名学院の事業報告書によると、保有学部および収容定員充足率は、

 人間科学部(人間心理、経営)在学生840/収容定員940→89.4%

 教育学部(教育福祉、英語コミュニケーション)799/800→99.9%

 保健医療学部(看護)363/320→113.4%

 留学生別科 12/30→40%

と、学生募集は順調に推移しています。


決算内容において、事業活動収支計算書は、

 経常収支差額▲27百万円

 基本金組入前当年度収支差額▲66百万円 →減価償却費非公開のためCF不明

貸借対照表は、

 現金預金1,648百万円

 特定資産1,406百万円

 有価証券649百万円

 前受金614百万円     →換金性が高い資産3,089百万円

 長期借入金659百万円   →ネットキャッシュ2,430百万円

と単年度赤字、内部留保も決して潤沢とはいえない状況であることがわかります。

(2)神戸山手大学


学校法人神戸山手学園の事業報告書によると、 保有学部および収容定員充足率は、


 現代社会学部(総合社会、観光文化、環境文化、都市交流)539/910→59.2%


と大幅な定員割れです。


決算内容において、事業活動収支計算書は、

 経常収支差額▲486百万円

 基本金組入前当年度収支差額▲469百万円→減価償却費非公開のためCF不明

貸借対照表は

 現金預金非公開(流動資産1,181百万円)

 特定資産0百万円 前受金614百万円

 固定負債+流動負債1,072百万円


と単年度大幅赤字、内部留保も枯渇しており危機的な状況であることがわかります。

今回は、同エリア、学部補完による救済合併の色合いが強いです。合併後のそれぞれの学部のシナジーはどの程度見込まれてるのか、学校法人濱名学院の財務基盤は決して磐石とはいえません。


今後の再建に期待したいです。

3月 22, 2019 10:48 am

初めまして、学校経営コンサルタントの栗山です!

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株式会社 船井総合研究所 高等教育チーム チームリーダーの栗山です。

 

 

当ブログの目的は、学校関係の皆様向けに、

 

 私立大学・短期大学・専門学校が困っている”課題”と”その解決方法”

 

に関する情報を配信し、よりよい高等教育業界の創造の一助を担うことです。

 

 

配信する内容としましては、

 

①私立大学・短期大学・専門学校の時流(トレンド)

②私立大学・短期大学・専門学校の経営課題とその解決方法

③私立大学・短期大学・専門学校に関する調査分析レポート

④国内外の改革事例

中央教育審議会等の審議内容

 

など、学校関係の皆様、特に学校経営に関わる方々の役に立つ情報を配信します。

 

 

私は大学、短期大学、専門学校の学校法人向け経営コンサルタントとして、

日々、学校の方々と一緒に改革を行い、よりよい日本の高等教育の創造、

有望な人材を輩出することによる、よりよい社会の創造に努めています!

 

最近は、

 

・大学法人の中長期計画・財政計画の策定

・専門学校の専門職大学・専門職短期大学の設置

看護大学の設置

学生募集の強化(WEB、オープンキャンパス、高校訪問の再構築)

・産学連携型アクティブラーニングによるキャリア教育

・大学法人による高校法人の買収(M&A)

 

など、学校法人の様々な経営課題の支援をしています。

 

 

学校関係者の皆様の一助となる情報を発信しますので、

よろしくお願いいたします。